マンションの防音とは?メカニズムや指標、建物の構造による防音性の違い、具体的な対策も解説
2025.04.03 UP
マンションの防音性は、居住者の満足度を左右する重要な要素です。
- ・子育て世帯:子どもの遊ぶ声や音による騒音が心配
- ・高齢者世帯:静かで落ち着いた暮らしを送りたい
- ・単身世帯:静かな環境で集中して在宅ワークをしたい
このように、音に関する心配や希望は様々で、全ての世帯が関係する話題です。

引用:株式会社ヴァンガードスミス 近隣トラブルに関する実態調査
一方で、過去に隣人トラブルなどを経験した方の半数以上が「生活音/騒音関連」のトラブルに遭遇した、というアンケート結果もあります。
防音性を高めることは、居住者の快適な住環境の保全や騒音トラブルなどへのリスクヘッジとして機能し、居住者の満足度を高めることにつながります。
居住者の満足度は、入居率などの点で賃貸経営にも影響します。そのため防音性は不動産のオーナーにとっても重要な項目の一つです。
本記事では、マンションの防音性はどのように決まるのか、仕組みや指標、具体的な防音対策について解説します。
Contents
「防音」とは?騒音のメカニズムを解説

はじめに、マンションにおける「防音」とは何か、という部分からご紹介します。
防音とは、以下の例のように音源から発生する音が自室に伝わることを防ぐ対策の総称です。
- ・道路を走行する車から生じるロードノイズ
- ・隣家から発生する調理音
- ・テレビやオーディオなど音響機器から発生する音
こうした音を防ぐ方法には、大きく分けて「遮音」と「吸音」2つの種類があります。
- ・遮音:音を遮り(反射させて)室内に響く量を減らす
- ・吸音:音を吸収させて室内に向かって通過する量を減らす
防音を検討するなら知っておきたい「音の種類」

マンションの防音を検討するうえで、まずは対策をすべき音の種類を具体的に認識する必要があります。マンションを取り巻く音は大きく分けて「建物外部の音」「建物内部の音」「住戸内の音」の3種類で具体的には以下のようなものが挙げられます。
建物外部の音
- ・線路を走る電車の走行音
- ・道路を走る車のロードノイズ
- ・工事現場から生じる杭打ちの音 など
建物内部(上階など)の音
- ・上階から聞こえる足音
- ・下階から聞こえるエアコンの音 など
住戸内の音
- ・建物内部の音と音源は変わらないが、自宅から隣室などに対して騒音が気になる場合(楽器を演奏する場合など)は対策が必要
これらの音は大きく分けて「空気を伝わる音(空気音)」と「固体を伝わる音(固体音)」の二つに分かれます。
これら対策すべき音の発生源や種類を把握することで「遮音」と「吸音」どちらが適しているか、どのような対策をすべきかを検討することができます。
幹線道路沿いのマンションなら道路騒音対策、上下階や隣室同士での騒音を避けたい場合は住宅設備などへの対策、演奏やオーディオなどの趣味がある場合は音漏れ対策など、建物の環境や使い方に合わせて最適な対策をとることが重要です。
防音を示す指標、Dr値・T値・L値
紹介したように音には複数の種類がありますが、人によってその聞こえ方や不快感に違いがあります。
そこで防音性について客観的に評価するために、「Dr値」「T値」「L値」という3つの指標が生まれました。
Dr値 | ・壁や建具の防音性能を示す ・主に空気中を伝わる音を評価 ・たとえばDr値50の場合、50dBの音を遮ることができる |
T値 | ・ドアやサッシの防音性能を示す ・ドアを閉めたとき静かになる程度を確認 ・1~4の4等級で分類される |
L値 | ・床の衝撃音への遮音性を示す ・上階の床から生じる音が下階で聞こえる程度を推定 |
防音性に配慮したマンションに住みたい場合、または防音性に配慮したマンションを建てる場合、こうした指標やその数値を参考にしてもよいでしょう。
マンションの防音性で重要視される「L値」と建物の構造

複数ある防音性を示す指標の中で特に重要視されるものは、床の衝撃音に対する遮音性能を示すL値です。
L値が対象とする、足音や洗濯機の動作音などは固体音で、建築後に対策が取りづらい特徴があります。
また、L値はさらに「LL(軽量衝撃音)」と「LH(重量衝撃音)」とに分かれます。
- ・LL(軽量衝撃音):おもちゃ、食器など軽量の物を落とした場合の音
- ・LH(重量衝撃音):子どもが飛び跳ねる、重い家具を動かすといった場合の音
LL、LHはどちらも建築後に対策を取る(カーペットの設置や家具の脚にカバーを取り付けるなど)ことも可能ですが、建築時に構造を検討することが大切です。
- 木造:落下音などがよく聞こえる
- 軽量鉄骨造:上階の生活音が気になる
- 重量鉄骨造:上階の生活音が感じ取れる
- 鉄筋コンクリート造:意識すると上階の生活音が聞こえる
このようにマンションの構造は、建物の防音性に影響する大きな要素の一つです。一般的に鉄筋コンクリート造は他の構造と比べ防音性が高いとされています。
>上下階・隣接した部屋への防音・遮音性能を高めた、鈴与三和建物株式会社の「防音マンション」
マンションの防音性を高める具体的な方法

その他以下のような対策を取ることで防音性の向上が見込めます。
- ・床や壁を厚くして遮音性を高める
- ・遮音性能が高いサッシ、窓ガラスを利用する
- ・隣家との間に収納などを配置して居室の防音性を高める
- ・演奏やオーディオを楽しむために特殊な防音を施した部屋を作る
- ・隣室間の騒音トラブルを避けられるよう角部屋の多い間取りにする
防音性の高い鉄筋コンクリート造に加えて、こうした独自の対策を取ることで優れた音環境のマンションを建てることが可能です。
まとめ
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>>施工事例:騒音をコントロールした賃貸マンション(品川区)
マンションの防音のメカニズムや対策について解説しました。
十分に防音対策が施されたマンションは居住者の満足度を高められ、入居率の安定にもつながりますので、マンションを建築する際には防音性もしっかりと確認することが重要がです。
防音性を意識し、鉄筋コンクリート造のマンションの建築をお考えの方は、私たち鈴与三和建物株式会社まで、お気軽にご相談ください。