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土地活用で把握しておきたい「利回り」とは?2種類の利回りについて概要や注意点、相場などについて

2025.04.04 UP

賃貸マンションやオフィスビルなど土地活用の検討をする際、その判断材料となるものの一つに利回りという指標があります。

利回りとは、かかった費用に対して得られる収益の割合を示す指標です。

投資額を回収するまでに何年かかるかは、土地活用計画の有用性や安全性を判断するうえで非常に大切なポイントです。

また、マンションやビル、駐車場やトランクルームなど土地活用の選択肢はたくさんあります。選択肢によって、建築費などの初期費用や維持にかかる費用、得られる収入は大きく異なります。

このように条件の異なる選択肢を比較する際などにも利回りを活用することができます。

そこで本記事では、そもそも利回りとは何か、知っておきたい利回りの種類、土地活用の種類による利回りの相場について詳しく解説します。

土地活用における「利回り」とは?

一般的に土地活用の利回りは、不動産から得られる年間の収入を、投資額で割ることで算出します。

この利回りは高いほど良いと思われがちですが必ずしもそうではありません。高い利回りの裏には高いリスクがあるケースも多く、不動産収入の安定性なども含めて検討をする必要があります。

土地活用を始める前に知っておきたい「2つの利回り」

利回りには様々な考え方があります。今回は代表的なものを2つご紹介します。

  • ・表面利回り
  • ・実質利回り

表面利回り

表面利回りとは、建築費や土地の取得費などの初期費用と賃貸収入のみで算出する割合です。

計算に必要な情報が少ないため手軽に計算できますが、実際の収益性と乖離する危険性があるため注意が必要です。

表面利回り = (家賃収入 ÷ 初期費用)✕ 100

例 家賃収入2,000万円 ÷ 初期費用 40,000万円 ✕ 100 = 表面利回り 5%

実質利回り

実質利回りとは、初期費用に加え、固定資産税や管理費、修繕費といった年間の運営コスト(支出)を加味した利回りです。

表面利回りと比べ、より現実に近い収益性を確認することができます。

実質利回り = (家賃収入 – 支出)÷初期費用 ✕ 100

例 (家賃収入 2,000万円 - 支出 400万円)÷ 初期費用 40,000万円 ✕ 100 = 実質利回り 4%

実質利回りの支出

実質利回りにおける支出は以下のようなものが挙げられます。

  • 固定資産税・都市計画税
  • 建物管理費
  • 賃貸管理費
  • 修繕費・原状回復費
  • 保険料

固定資産税・都市計画税

土地や建物を所有している場合、毎年固定資産税と都市計画税が発生します。土地や建物の種類、用途により特例による減額が適用される場合があります。

建物管理費

マンションやビルなどの場合、共用部の清掃や設備の点検などが必要です。これを業者に委託する場合は、その費用を支出として計算する必要があります。

賃貸管理費

建物を第三者に賃貸する場合、入居者の募集や契約業務、月々の賃料の管理などの業務が発生します。これらの業務を不動産会社などに委託する場合はその費用を支出として計算する必要があります。

修繕費・原状回復費

外壁や防水など経年によって建物は劣化します。安定した賃貸経営をするうえで定期的な修繕工事などは非常に大切です。

また入居者が入れ替わる際に行う原状回復工事にかかる費用なども支出として考えておく必要があります。

保険料

ビルやマンションを建てる場合、火災保険や地震保険に加入することが一般的です。これらの保険料も支出となります。

その他

ビルやマンションの建築にあたって借入を行う場合、より現実的な利回りを確認するには、借入金の返済や金利なども加味して計算を行う必要があります。

また支出ではありませんが、より現実に近い利回り計算を行いたい場合は満室想定ではなく、空室率や賃料下落などを加味して利回りを計算しても良いかもしれません。

都内での土地活用「利回りの相場」を確認

都内での土地活用「利回りの相場」を確認

>>施工事例:外国企業のオフィス(町田市)

利回りを確認するうえで、考え方の次に気になるのは相場感ではないでしょうか。

今やろうとしている事業の利回りが相場から見て適正なのかどうかは、計画を実行に移すかどうかを検討する際に気になるポイントの一つです。

ここまででご紹介した通り利回りは建築費や土地の取得費、賃料収入などを基に計算します。

全く同じマンションを建てる場合でも、建築費は工事を行う時期や発注先によって変動します。また土地の取得費や賃料収入は時期に加えエリアによっても大きく異なります。

このように、計算に必要な項目の多くは、その金額が変動する可能性があるため、相場と呼べるものは無いと言っても過言ではありません。

あくまでも利回りとその裏にあるリスクを見比べて、計画を実行すべきか検討することが重要です。

それを踏まえた上で、都内で土地活用を行う場合の利回りについて、一般的な表面利回りの目安をご紹介します。

  • 賃貸マンション(一棟所有):5~7%
  • オフィスビル:4~5%
  • 店舗:5~7%
  • 駐車場経営:5~20%
  • トランクルーム:10~25%

※都内でもエリアによって利回りの目安は大きく異なります。港区や中央区など需要の高いエリアは利回りが低く、足立区や練馬区など住宅の多いエリアなどでは高くなります。

駐車場やトランクルームは初期費用が安いため利回りが高くなりやすいです。一方、マンションやビルなど建築を伴う選択肢は初期費用が高くなるため、駐車場などと比べ利回りは低くなりがちです。

ここで注意が必要なのは【利回りが高い=利益が大きい】ではないということです。

初期費用1000万円で利回り25%の計画と初期費用5000万円で利回り10%の計画を比べると、後者は前者の2倍の利益を得ることができます。

土地活用を検討する際は、利回りだけでなく、リスクや利益などその他の要素もしっかりと確認することが大切です。

>>関連コラム:【東京都心部での土地活用】10のアイデアを解説

利回りを検討するなら確認したい5つの注意点

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>>施工事例:複数のエントランスをもつ建物(豊島区)

続いて、利回りの視点で土地活用を検討する場合に注意が必要な点をご紹介します。

  • ・家賃の増減や空室により利回りは変動する
  • ・表面利回りだけで判断しない
  • ・業者の提示する利回りは正確性をチェックする
  • ・メンテナンス費用の増加を加味する

家賃の増減や空室により利回りは変動する

1つ目は、様々な要素で利回りが変動する可能性があることです。

賃貸物件は、長期の定期借家契約を結んでいる場合などを除き、ほとんどの物件で空室や賃料の増減が発生します。

満室や新築時の賃料をベースに利回りを計算している場合、空室や賃料の下落により、想定していた利回りを下回ってしまう可能性があります。

検討の際には空室率や賃料の下落などを加味した、より現実に近い利回り計算をおすすめします。

表面利回りだけで判断しない

2つ目は、計画実行の判断を表面利回りだけで行わないことです。

土地活用の選択肢は様々ですが、その多くはマンションやビル建築など長期間の運用を前提とする選択肢です。借入の返済や毎年の固定資産税、建物の管理費・修繕費など、単年では少額に見える支出でも長期的には大きな額になります。

表面利回りは初期の目安としては分かりやすいですが、これらの支出が加味されていないため、現実の利回りと大きく乖離している場合があります。

業者の提示する利回りは正確性をチェックする

業者の提示する利回りは正確性をチェックする

3つ目は、業者の提示する利回りは正確性をチェックすることです。

不動産業者の中には、利回りを高く見せるために賃料を相場よりも高く設定する業者もいます。

検討をする際は、賃料相場などをしっかりと把握し、提示されている利回りの計算が適正かどうかを自身で確認することが大切です。

メンテナンス費用の増加を加味する

4つ目は、建物の老朽化や設備劣化など、メンテンナンスコストの増加を加味することです。

マンションやオフィスビルといった建物は、構造部分や設備の劣化による修繕費の増加は避けられません。

このような支出の上昇なども加味して利回り計算を行うことで、現実との乖離を少しでも減らすことが重要です。

まとめ

土地活用を検討する際に理解が欠かせない、利回り

>>施工事例:気兼ねなく、ピアノを弾ける賃貸マンション(新宿区)

今回は土地活用を検討する際に判断材料の一つとなる、利回りについて詳しく解説しました。

利回りを判断材料にする場合、その仕組みや考え方をしっかり理解していないと失敗につながる可能性があります。

また利回りだけでなく、リスクや実際の収益額などその他の様々な情報・知識をしっかり確認し、利回りと合わせて活用することが非常に大切です。

利回りの計算根拠となる建築費の算出や賃貸収入の想定、その他支出の計算には、専門的な知識やスキルを要する場合があります。

土地活用に興味がある方、これから検討をする方などは一度専門家にご相談をしてみても良いかもしれません。

私たち鈴与三和建物株式会社は東京都内で90年、お客様の土地活用のお手伝いをして参りました。

利回りの計算なども含め、土地活用に関するお悩みや検討事をお持ちの方は是非お気軽にお問合せ下さい。

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