土地活用|賃貸経営に適しているのは? 木造・鉄骨・鉄筋コンクリート造?
2024.08.28 UP
所有している土地の活用を目的に、賃貸マンションや事務所ビルなどの建築を計画する場合、建物のプランやターゲット、事業の費用や収益性など様々な検討事項があります。
その中のひとつに「建物の構造」があります。 鉄筋コンクリート造や鉄骨造、木造など、それぞれ異なる性質があるため、どの構造を選択するべきか悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、以下の4つの構造についてそれぞれの特徴を解説します。
- 「木造」の特徴
- 「軽量鉄骨」の特徴
- 「重量鉄骨」の特徴
- 「鉄筋コンクリート」の特徴
目的によって最適な構造は異なります。
建築をご検討中の方、これからご計画の方は是非ご覧下さい。
Contents
賃貸経営に適した構造とは│木造?鉄骨?鉄筋コンクリート?
1.木造(W造)の特徴
1-1.木造とは
木造(W造)とは建物の主な構造部分に木材を使用した構造のことです。
古くから日本の建築に用いられてきた構造で、令和になった現在でも、新築の低層住宅の8割以上が木造で作られています。
木造軸組(在来工法)や木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)などの工法にもよりますが、木造の建物には以下のような特徴があります。
1-2.木造の特徴
建築コストを抑えられる
鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比較し、部材の価格や工事にかかる金額が安く、建築費を抑えることができます。
吸水性や吸湿性に優れている
木材には湿度を吸収・放出する調湿効果があります。これにより結露の発生を軽減や湿気を軽減することができ快適に居住することができます。夏と冬の湿度差が大きい日本の気候にも適しています。
耐用年数が短い
木造の法定耐用年数は22年とされています。一部の鉄骨造を除き、主要な構造の中では耐用年数が短くなっています。他の構造に比べ経年劣化が早いとも言えるのでメンテナンスなどをしっかり行うことが大切です。
害虫に弱い
シロアリなど木を主食とする害虫に弱いことも木造の特徴の一つです。床下など気づかないうちに発生していることも多く、定期的な検査や薬剤散布などの対策を検討する必要があります。
2.軽量鉄骨造(S造)の特徴
2-1.軽量鉄骨造とは
軽量鉄骨造(S造)とは主な構造部分に厚さ6㎜未満の鋼材を使用した構造のことです。一般的にプレハブ工法(建物の部材を工場で作り、現場で組み立てる)で建築します。
鉄骨の厚さによって法定耐用年数が異なり、3mm以下で19年、~4mmで27年、4mm以上で34年とされています。
2-2.軽量鉄骨の特徴
品質が安定しており、工期が短い
部材を工場で作っている為、品質やコストが安定していることが軽量鉄骨造の大きな特徴です。規格化された部材を現場で組み立てるだけで良いため、他の構造と比べ工期が短いことも特徴です。
木造に比べ耐久性が高い
厚さ3mm以下の軽量鉄骨造を除き、法定耐用年数が木造よりも長く耐久性に優れています。木造と比較すると耐震性が高いことも特徴です。
設計の自由度が低い
部材が規格化されていること。また建物の強度を確保するために、壁に筋交いが入っていることが多いなどの理由で、建築時のプランやリフォームなどが制限を受けることがあります。
断熱性や防音性が低い
木造と比べ断熱性が低いため対策が必要です。また遮音性も木造と同等で生活音や騒音などには注意が必要です。
3.「重量鉄骨造」の特徴
3-1.重量鉄骨造とは
重量鉄骨造(S造)とは主な構造部分に厚さ6mm以上の鋼材を使用した構造のことです。軽量鉄骨造と比べ耐久性が高く、オフィスビルやマンション、商業施設などで採用されることが多い構造です。
3-2.重量鉄骨造の特徴
大規模な建物や高層建築が可能
重量鉄骨造は軽量鉄骨造や木造と比べ強度が高く、鉄筋コンクリート造と比べ軽量といった特徴があります。そのため、マンションやオフィスビルなど大きな建物や高い建物の建築が可能です。
広い空間を作ることができる
重量鉄骨造は他の構造と比べ柱と柱の間隔を広くとることができるため、大きな空間を作ることが可能な構造です。店舗や事務所、倉庫や工場など広い空間を必要とする場合は検討しても良いかもしれません。
耐震性が高い
重量鉄骨造の骨格材は頑丈なため、柱と梁だけで十分な耐震性の確保が可能です。繰り返しの地震にも強く、耐震性が高いことが特徴です。
木造や軽量鉄骨造に比べ建築費が高い
重量鉄骨造は木造や軽量鉄骨造と比べ重量が大きくなります。そのため建築する際、地盤改良や基礎工事に時間や費用がかかってしまため、木造や軽量鉄骨造と比べ建築費が高くなってしまうことが多いです。
メンテナンスの必要性
鉄骨は錆に弱いというデメリットがあります。特に重量鉄骨造は軽量鉄骨造と比べ耐用年数も長いため、建物を長く安全に維持していくために、防水などの定期的なメンテナンスが重要です。
4.「鉄筋コンクリート造(RC造)」の特徴
4-1.鉄筋コンクリート造(RC造)とは
鉄筋コンクリート造(RC造)とは建物の主要部に鉄筋を芯材としたコンクリートを使用する構造です。引っ張りに強い鉄筋と圧縮に強いコンクリート、双方の長所を生かし強度を高めています。
鉄筋コンクリート造には、柱と梁を組み合わせたラーメン構造と、耐力壁で建物の荷重を支える壁式構造があり、それぞれ特徴が異なりますが、今回は共通する特徴を解説します。
4-2.鉄筋コンクリート造の特徴
設計の自由度が高い
鉄筋コンクリート造は型枠次第で曲線や斜線など様々な形を作ることができます。強度も高いため、大きな空間や開口部などデザイン、設計面で自由度が高いことが特徴です。
居住性が高い
鉄筋コンクリート造は気密性が高く、他の構造と比べ外気の流入を抑えることができ、冷暖房効率が良いことも特徴の一つです。また他の構造に比べ遮音性も高いため、居住性に優れておりマンションなどの住居に向いた構造です。
耐震性、耐火性が高い
鉄筋コンクリート造は熱に強い構造です。木造は250度前後で発火、S造は550度程度で変形を始めると言われていますが、鉄筋コンクリート造は1000度でも強度が下がらないとされています。また耐震性についても鉄筋とコンクリート双方の長所により、横揺れと縦揺れどちらにも耐性があり強い構造となっています。
耐用年数が長い
鉄筋コンクリート造の住宅の法定耐用年数は47年となっており、他の構造に比べ長くなっていることも特徴です。
工期が長い
鉄筋コンクリート造は他の構造に比べ建物の重量が大きくなってしまいます。そのため地盤改良や基礎工事に時間を要します。またコンクリートが乾く時間も必要なため、工期が長くなってしまいます。
建築費が高い
前項の通り工期が長くなってしまうため人件費がかかってしまうことに加え、鉄筋コンクリート造は部材そのものも高くなっています。また施工に必要な材料や工程なども他の構造と比べて多いため、それらも含め建築費が高くなりがちです。
まとめ│構造の特徴を理解し目的に合った選択を
各章で解説した通り、構造ごとに特徴が異なり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
土地活用を検討する場合、建築費などの初期費用も大切ですが、その後の維持管理や劣化対策なども同じくらい重要です。
土地の条件や土地活用の目的、自身の要望や周辺の需要といった様々な要素から最適な構造を選択する必要があります。
私たち鈴与三和建物株式会社では、これから土地活用をご検討されるお客様のために、ご要望やお考えをお聞きし、検討に必要な調査や資料の作成からお手伝いをしております。是非お気軽にお問合せ下さい。