土地活用の収益が高いのは「ワンルームマンション」?ワンルーム条例やライフスタイル変化により
2023.12.04 UP
「土地活用で収益を得たい」
遊休地を保有していたり、手元に資金があったりする場合、このように思うこともあるでしょう。
土地活用には、オフィスビルの建築や高齢者向け住宅の建築など、様々な手段がありますが、そのうちのひとつは「ワンルームマンション」です。
ワンルームマンションは一般的には賃料坪単価が高いことからファミリータイプマンションよりも収益性が高くなります。
ただし、世間のイメージとしては部屋が狭い、ゴミ出しのマナーが悪い、騒音など近隣トラブルになる可能性、戸数が多い上に管理が行き届かないなどあまりいいイメージではありません。
かつてワンルームマンションというと居室が一つで簡易的なキッチンとバス・トイレの狭い部屋をイメージされますが、近年では30㎡前後の部屋が主流となっております。
また、各自治体では、単身者向け住まいの床面積に下限を設定するなど、居住者や近隣住民が快適に生活できるよう条例を制定して対策を施しています。
マンション経営ができるワンルームマンションへの土地活用について、特徴を確認してみましょう。
Contents
ワンルーム条例・マンション規制とは?
はじめに、ワンルーム条例とは、どういった条例なのか確認してみましょう。
なお、自治体によって条例の名称や内容が異なるため、実際に土地活用を行う際には、検討している自治体の条例を確認する必要があります。
今回は事例として、港区のワンルーム条例を紹介します。
港区では、以下の単身者向け共同住宅が条例の対象になります。
定義 | 建物用途 | 対象となる規模 |
---|---|---|
単身者向け共同住宅 | 共同住宅 | 住戸専用面積37m2未満の住戸が7以上 |
寮、寄宿舎及び下宿 | ||
単身者向け長屋 | 長屋 |
その上で、下記の通り基準を満たしてマンションを建築する必要があります。
建築に関する基準 | ・最低住戸専用面積 (専用面積は25m2以上) ・管理人室の設置 ・駐車施設の設置 ・駐輪施設の設置 ・廃棄物保管施設の設置 ・緑化 ・周辺の生活環境への配慮 ・家族向け住戸の設置 |
管理に関する基準 | ・管理人の配置等 ・使用規則等の作成 ・近隣住民との協議 ・維持管理 |
こうした条例に適合したワンルームマンションを建築することで近隣トラブルを防止し、少しでも減少させ、居住環境が向上することで単身者でも安全、安心な生活を送ることができます。
賃料坪単価が高いワンルームマンション
マンション経営には、ファミリー向けの物件や高齢者向けの物件など、様々な種類の形態がありますが、どうしてワンルームマンション経営が収益が高いのでしょうか?
その理由は、賃料坪単価の高さにあります。
中央区での新築ワンルームマンションとファミリー向けのマンションの坪単価を比較すると、ワンルームマンションの方が賃料坪単価が高くなります。
加えて、ワンルームマンションには比較的コンパクトな土地でも多くの住戸を確保できることや、空室が出ても比較的すぐに入居者が見つかりやすいことなど、複数のメリットがあります。
空室リスクなどを気にしている方はワンルームマンションの建築は選択肢として考えられます。
都心部ではワンルームマンションのニーズが市場から求められる
ワンルームマンションが勧められるもうひとつの理由は、高い需要が見込めるからです。
東京都では、今後の世帯数の予測を行った「2060年までの東京の人口推計」を公表しています。
本資料によると、2000年から一貫して単身世帯は増加傾向を示しており、2035年まで増加を続ける見込みが示されています。
単身世帯が増える理由として、以下の理由が挙げられています。
- ・高齢単身者の増加
- ・進行する未婚化による単身者の増加(ライフスタイルの変化)
- ・外国人人口増加
未婚化の流れは続くことが予想されており、ワンルームマンションに対する需要の増加はこれからも続くことが想定されます。
ただし、入居者については今後外国人や高齢者単身が増えることが予想されることから、オーナー側もこれまで以上に建物管理に対して積極的に取り組むことが必要とされます。
ワンルームマンションに適した立地はどこ?
実際にワンルームマンションを建てる際には「どこに建てるか」が最も重要になります。
単身者のニーズに合わなければ、建築後に空室が目立つ事態になりかねないからです。
ワンルームマンションに適した主な立地は、以下のとおりです。
- ・通勤通学に便利な駅徒歩5分以内
- ・大学生に人気のキャンパスエリア
- ・商店街があり毎日の生活が便利
- ・再開発エリアで需要増が見込める
- ・ハザードマップのエリア外で安心して居住できる
これから建築する方はこうしたエリアを検討し、ワンルームマンションは坪あたり賃料を考えると高収益ですが、立地などの各種要因から建築を進めるべきエリアを十分に検討する必要があります。エリアによってはワンルームマンションよりもファミリータイプマンションの方が収益が高くなる場合もあります。市場調査や賃料相場を踏まえて、専門家への相談をおすすめします。
まとめ:ワンルームマンションで収益の高い土地活用を
これからマンション建築を検討されている方は一般的に「ワンルームマンション」のほうが
収益は高いです。
ただし、ワンルームマンションの建築には土地の精査が欠かせません。
単身者にとってニーズの少ない土地にワンルームマンション建築をすれば空室によって赤字が出る可能性もあるからです。
各自治体が制定するワンルーム条例の内容を確認するとともに、検討している土地の特徴を正確に捉えることが大切です。
一方で、土地活用に慣れていない人がこうした検討を行うのは、かけられる時間的にも、物件選択のノウハウ的にも難しいのが実情です。
こうした場合には、土地活用の専門家にいつでも相談できる態勢を整えておくことをおすすめします。
鈴与三和建物株式会社では、80年以上の実績とノウハウを元に、適切な土地活用についてのアドバイスを行わせて頂きます。
ワンルームマンションの土地選びや建築について気になることがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。