土地活用の基礎知識 「基本設計」と「実施設計」の違いを解説
2024.10.02 UP
マンションやビルの建築など、土地活用の計画を立て、それを実行に移していく流れの中で「基本設計」と「実施設計」という二つの言葉が出てきます。
どちらも「設計」ですが、行うタイミングや目的、作業内容などは大きく異なります。
今回は言葉だけ見ると違いが分かりにくい「基本設計」と「実施設計」について、それぞれどのようなものなのかを解説します。
マンションやビルを建築する際の流れ
「基本設計」と「実施設計」はどちらも、マンションやビルの建築を進めていくうえでの工程の一つです。
マンションやビルの建築は、大きく分けて以下の図のような7つの工程に分かれます。
これらの工程は明確に分かれてはおらず、重なり合う部分や順番が前後する場合もありますが、基本的には図のような順序で進めていきます。
基本設計とは
基本設計の目的
基本設計の目的は建物の建築を計画するうえで、その大枠を作ることです。
0から計画をスタートする場合、計画地にどのような建物を建てることができるのか、建築にどれくらいの費用がかかるのか、などといった計画の可否を判断するための資料を作らなければなりません。
建築計画の大枠を固め、検討に必要な資料を作成することが基本設計の目的です。
基本設計で行うこと
測量や建築に関する条例の確認などといった計画地の基本的な調査や、計画に対するお客様のお考えや希望などを伺ったうえで、これから建築する建物の・コンセプト・ターゲット・構造・規模・配置・用途・内部のレイアウト・住戸の間取り などを検討します。
検討結果を踏まえ、平面図など計画の土台となる基本的な図面などを作成します。
基本設計により得られるもの
基本設計を行うことで平面図などの基本的な図面が得られます。
これにより概算工事費の算出や、収支予測の作成などが可能となり、計画の可否を判断することができるようになります。
実施設計とは
ここまでの工程を経て、建築を進めることが決まった段階で行う設計作業です。
基本設計で作成した図面などをベースに、設計図書と呼ばれる詳細な設計図を作成します。
実施設計は主に「意匠設計」「構造設計」「設備設計」の三つに分かれます。
- 意匠設計
建物の外観・内装や敷地に対するレイアウト、使用する材料や色といった、建物のデザインや機能性に関する設計を行います。
- 構造設計
耐震性など建物の安全性を確保するための構造計算や、必要となる構造体の材料や寸法、基礎の設計、形状に関する設計などを行います。
これに付随して土地のボーリング調査など、地盤の強度を確認する作業を行い、その結果も踏まえ設計を行います。
- 設備設計
電気・水道・空調といった各種設備の配置・仕様に関する設計を行います。
実施設計により、設計図書を作成することで、最終的な見積金額が算出できるようになり、工事の発注や役所への建築確認申請など、着工に向けた諸手続きが可能になります。
まとめ
今回は「基本設計」と「実施設計」について解説しました。
基本設計は建築計画の概要を作り、計画の可否を判断するためのもの、実施設計は着工に向けて詳細な設計図を作成するものと考えましょう。
「基本設計」と「実施設計」は目的や内容は大きく異なりますが、どちらも建築計画とその成否において、非常に重要な工程です。
マンションやビルの建築には大きな費用がかかります。信頼のできる業者を選定し、ご自身の考えや希望をしっかりと伝え、納得のいく計画を立てることが大切です。
私たち鈴与三和建物株式会社は約90年にわたり、ビルやマンションの建築を行ってきました。
お客様のご要望やお考えをしっかりと理解し、計画地の状況なども踏まえ、最良の提案をいたします。
土地活用やマンション・ビルの建築などをご検討の際には是非お気軽にご相談ください。