「日影規制がかかる地域での土地活用」おすすめの方法とは
2023.05.29 UP
土地を所有している方のなかで、日影規制の影響で考えていた建物が建てられず、その活用方法について悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。一般的に日影規制がかかってしまう土地では、3階建て以下の木造アパートや軽量鉄骨造アパート、駐車場での活用が考えられます。
当社では、それらに代わる選択肢として、4階建てマンションを提案しています。そこで、この記事では、日影規制とそのような地域での4階建てマンション建築のメリットについて解説します。
Contents
日影規制とは
日影規制とは、建築基準法で定められている、建物の周囲の日照環境を保全することを目的とした、建物の高さに関する規制です。
下図のように日影規制がある地域では、建物が周囲の土地に落とす日影とその時間経過に伴う大きさや形の変化を計算し、敷地の境界線から一定の範囲に、一定時間以上の日影が生じないようにする必要があります。
日影規制がかかる地域
市街化区域とよばれる市街地を形成している地域では、地域に合った住環境の整備のために、13の用途地域が設けられています。またこれらの用途によって規制の内容が異なります。対象となる用途地域と規制の内容は以下の表のとおりです。
用途地域 | 制限を受ける 建築物 | 平均地盤面 からの高さ | 規制時間 5m~10m/10m~ |
第一種低層住居専用地域 第二種低層住居専用地域 田園住居地域 | 軒高7m超 又は地上3階以上 | 1.5m | 3時間/2時間 4時間/2.5時間 5時間/3時間 |
第一種中高層住居専用地域 第二種中高層住居専用地域 | 高さ10m超 | 4m又は6.5m | 3時間/2時間 4時間/2.5時間 5時間/3時間 |
第一種住居地域 第二種住居地域 近隣商業地域 準工業地域 | 高さ10m超 | 4m又は6.5m | 4時間/2.5時間 5時間/3時間 |
この表はあくまでも建築基準法上の内容で、必ずしもこの表通りに規制がかかる訳ではありません。この内容に基づき、各自治体が条例により規制の対象地域とその内容を定めています。
また、ご自分の土地が規制の対象外だった場合でも、隣接する土地が対象となる場合は制限を受けてしまうことがあるので、周囲も含め確認することをお勧めします。
高さ10mから日影規制がかかる地域における土地の活用方法
高さ10mから日影規制を受ける地域であっても、さまざまな土地活用の方法があります。代表的な活用方法として、「木造アパート」「軽量鉄骨アパート」「駐車場」の特徴を紹介します。
「木造アパート」は、ほかの建物構造と比べて安価に建築できるため、家賃を安く設定できます。木造の建物は、通気性に優れていますが、防音性は低く、隣人同士の騒音トラブルなどには注意が必要です。
「軽量鉄骨アパート」は、木造アパートよりも建築費は割高になりますが、耐久性・耐震性に優れています。しかし、防音性に優れているとは言い難く、騒音トラブルが発生する可能性はあります。また通気性は木造より劣り、夏は暑く、冬は寒くなる傾向にあります。
「駐車場」は、建物の建築が不要であるため、アパートと比べると少ない初期投資で始められます。アパートが建てられない土地でも活用できます。しかし、アパートに比べ、貸すことができる面積は小さくなります。土地の固定資産税額もアパートより上がってしまうため、収益性はあまり期待できません。
それぞれメリット・デメリットがありますので、土地の性質に合わせた選択が重要になります。
土地を最大限に活用できる「10m規制×4階建て」手法
高さ10mから日影規制を受ける土地を保有している場合、3階建てを提案された方も多いのではないでしょうか。当社では、「3階建て」ではなく、土地を最大限に活用できる「鉄筋コンクリート造」の「4階建て」を提案しています。
「10m規制×4階建て」の特徴をご存じない方や「3階建て」の収益性に疑問を感じている方向けに、メリット・デメリットを紹介します。
「10m規制×4階建て」のメリット
・収益性が高い: 3階建てよりも専有面積(住戸数)が多くなるため、高い収益性を期待できる。
・安全性が高い:一般的に鉄骨造と比べると、耐震性・耐火性が高い。
・優れた居住性:鉄骨造と比べると遮音性・断熱性が高く、快適な居住空間を提供できる。また室内に柱や梁が出ないため、広く感じられる。
・差別化を図れる:アパートが多い地域で「鉄筋コンクリート造のマンション」をうたい文句にできる。入居率や賃料の向上が見込める。
「10m規制×4階建て」のデメリット
・コストが増える:4階建てにすることで、延べ床面積は大きくなり、住宅設備が増える。また工期が長くなる。
・間取りの自由度が低い:壁構造のため、設計の自由度が損なわれる。
・各種申請や手続き、設計に時間がかかる:建築確認等の手続きが、規格化された鉄骨造に比べ長くなってしまう。
・解体費が高くなる:次の建替えの際、解体費用が鉄骨造に比べ高くなってしまう。
まとめ
今回は、日影規制とその地域での土地活用について解説しました。しかし、ご所有の土地は、日影規制だけでなく、土地の形状や面積、接道状況、そのほかの法令による制限などを受ける場合があり、土地の性質に合わせた活用方法を選ぶ必要があります。
当社は土地活用の総合コンサルタントとして、「ご所有の土地でどのような活用方法が考えられるか」という検討ファーストステップからお手伝いをしております。ご興味のある方は、お気軽にご相談ください。