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【土地活用の事例紹介】老朽化に伴うマンションの建て替え│2つの事例から学ぶ   

2024.11.29 UP

所有している建物の老朽化は、建物の所有者が誰しも直面する避けられない問題です。

特に収益物件などを所有している場合、老朽化は空室率の上昇や、賃料の下落、修繕費・維持費の増加、耐震など安全性の問題など、様々な問題の原因となります。

老朽化に伴う問題の対策としては修繕やリフォームを行うか、根本的な解決として建替えを行うかのどちらかです。

建替えを検討する場合、大きなポイントになるのが事業の収益性(かかる費用を上回る収入が得られるか)です。当然のことですが、収益物件の場合、建替えをして収益性が改善しなければ、事業を進めるメリットがありません。

しかし、工事費の上昇が続く昨今、事業の収益性はシビアな状況が続いており、物件の規模や立地などによっては単純に建替えるだけでは収益性が合わないケースが増えてきています。

そこで本記事では当初の計画では収益性が合わなかったものの、リプランによって収益性が改善された事例を2つご紹介します。

>>関連コラム:大規模な修繕工事を実施するまえに考えるべきこと

事例1 計画地を広げることで収益性が改善したケース

一つ目はアパートと自宅をご所有していたお客様の事例です。

ご相談いただいた時点で不動産は以下のような状況でした。

  • ・築50年のアパート
  • ・裏手に木造の自宅(築20年・住宅ローンの残債あり)
  • ・老朽化に伴いアパートの空室が増えている(20室中12室が空室)
老朽化した建物の建て替え事例:自宅に隣接する古アパートを建て替えるケース(1)

当初の計画では老朽化が進み空室の増えたアパートを建替える計画でした。しかしプランニングを進め、収支のシミュレーションを行ったところ、採算が合わないということが分かりました。

採算が合わない原因としては以下の2点が考えられました。

①道路斜線などの影響で期待していたよりも小規模な建物しか建築ができなかったこと。

②建物の規模が小さく、建築費などのコストが割高になってしまったこと。

このような結果、老朽したアパートの建替えが進められず、悩んでいらっしゃるという状況でした。

老朽化した建物の建て替え事例:自宅に隣接する古アパートを建て替えるケース(2)

ご相談を受け、リプランを行うにあたり、当初の予定では建替える予定の無い自宅部分も含めて検討してみることをお勧めしました。

ご自宅には残債が残っていたため、その分も事業の費用に含め、プランニングと収支シミュレーションを行いました。

その結果、土地のポテンシャルを最大限に生かすことができ、自宅部分の残債を上乗せしても、当初の計画より収益性が改善することとなりました。

この事例で収益性が改善したポイントは以下の二つです。

①自宅を含めることで敷地に奥行が生まれ、斜線の回避がしやすくなり大きな建物の建築が可能になった。

②建物の規模が大きくなることでコストなどの面でスケールメリットが生まれたこと。

老朽化した建物の建て替え事例:自宅に隣接する古アパートを建て替えるケース(3)

このように、建替えの必要性が薄かった自宅を計画に含めることで、問題点を解決することができ、結果として収益性が改善した事例です。

一般論に囚われず、様々な観点から土地活用を検討することが重要であるといえるでしょう。

事例2 地区計画の活用によってより大きな建物の建築が可能になったケース

2つ目は千代田区にマンションをご所有していたお客様の事例です。

ご相談時点では以下のような状況でした。

  • ・築50年、6階建ての老朽マンション(所在:千代田区)
  • ・水漏れがあり検査を実施したところ配管の交換が必要に
  • ・配管修繕には2,00万円の費用が必要と判明

こちらのお客様はご所有するマンションから漏水があったため調査を行ったところ、配管の交換が必要であり、工事には2000万円程度かかることが分かりました。

築年数と老朽具合から、収益性の改善にはつながらない配管の交換を行うよりも、建替えを行った方が良いと考え、建築会社に相談をしていました。

最初に相談した会社からは、既存のマンションと同じ6階建ての提案がありました。しかし規模が変わらないため、収益性の点では新築するメリットが無く、計画を進めるべきか迷っているという状況でした。

そのような中で、弊社がセカンドオピニオンとして相談を受けました。

プランニングを行うにあたり、千代田区の都市計画などを確認する中で、計画地が建物の高さや容積を緩和する地区計画のエリア内に入っていることが分かりました。

>千代田区:地区計画

地区計画を加味してプランニングを行ったところ14階建てのマンションが建築できることが分かりました。その結果、賃貸面積も既存のマンションと比べ大きくすることができ、収益性が大幅に改善しました。

老朽化した建物の建て替え事例:地区計画を有効活用して規模の大きなマンションを建てられたケース(3)

この事例のポイントは、計画する際にしっかりとした事前調査を行ったことです。特に地区計画など建築に関する条例や法律などの情報は計画に大きく影響する可能性があるため、事前調査をしっかりと行い、計画地がどのような土地なのかを確認することが大切です。

建築予定の地域の法規制などに詳しい業者に相談することも、土地活用を成功に導く要素の一つです。

まとめ

多くの制約の中で生まれたデザイン(品川区)

>>施工事例:多くの制約の中で生まれたデザイン(品川区)

今回ご紹介した事例のように、当初の計画では収益性などの点で計画を進めるメリットが無い場合でも、別な視点から再度プランニングを行ったり、再度調査をすることで収益性が改善するケースがあります。

弊社では既にご計画を進めているお客様向けに、セカンドオピニオンとしてアドバイスや代替案の提案なども行っております。相談は無料ですので、今進めている計画にご不安やお悩みをお持ちの方は、是非お気軽にご相談ください。

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