遊休地のポテンシャルを引き出す: 土地活用の戦略と手法
2024.11.19 UP
遊休地とは、所有しているものの利用をしていない土地を指す言葉です。また、実際に動き出すまでのつなぎとして、平置きの駐車場や貸地としている土地も広い意味では遊休地と呼べるかもしれません。
本記事では、遊休地にどのような活用方法があるのか、またポテンシャルを最大限に生かすためにどのようなことをすべきかなどをご紹介します。
Contents
遊休地の代表的な土地活用8選
遊休地の活用には以下の図のように様々な選択肢があります。
① 賃貸マンション
賃貸マンションなどの住居系建物の建築は、需要に合うプランニングができれば安定して賃料収入を得ることが可能です。
② オフィスビル・店舗
商業地などオフィスビルや店舗などが成り立つ立地であれば、住居などと比べて、より収益性の高い活用も可能かもしれません。
③ ホテル
インバウンドなど、観光客が訪れるエリアであればホテルの建築も選択肢の一つです。この場合運営をどのように行うかが大きなポイントです。
④ 福祉施設・保育園
保育園や福祉施設が足りていないエリアであれば検討してみても良いかもしれません。建物を建築し運営を専門業者に依頼する。土地を専門業者に貸すなどいくつかのパターンがあります。
⑤ 工場・倉庫
幹線道路沿いなど、運輸面で立地の良い場所などであれば工場や倉庫の需要もあるかもしれません。計画地周辺に工場や倉庫を必要としている企業など、借主が見つかるかが大きなポイントです。
⑥ 売却・開発
売却によって遊休地を現金化したり、買換えや等価交換などにより、別な不動産に組み替えることも選択肢の一つです。譲渡税や法人税、利用できる控除や特例などをしっかり確認することをお勧めします。
⑦ 駐車場
初期費用を抑えて活用をしたい場合、将来の計画に備えいつでも動けるようにしたい場合は駐車場なども候補にあがります。月極を自身で運営する、時間貸しの駐車場業者に土地を貸すなどいくつかのパターンがあります。
⑧ 貸地
居住用、事業用などとして土地を賃貸することも可能です。「駅周りなら事業用の定期借地」、「住宅地なら居住用として普通借地で」など、エリアに合わせた賃貸が可能です。
このように、その土地の所在エリアや土地の大きさ、形などによって向き不向きがあるため、まずはどのような選択肢があるのかを確認するところから始めてみてはいかがでしょうか。
>>関連コラム:【土地活用の方法】4つの基本的な活用法を解説│空き地の有効活用から借地権のある土地利用まで
遊休地の土地活用「戦略と手法」
続いて、実際に遊休地の活用を検討する場合、どのような方法・手順で進めていくべきか、建物を建築する場合を例にご紹介します。
検討の流れは大きく分けて以下の3段階に分かれます。
- (1)計画地の調査・市場調査
- (2)プランニング
- (3)事業シミュレーションの作成
図の大幅修正が必要
(1)計画地の調査・市場調査
まず始めに活用を検討する土地がどのような土地なのかを確認しましょう。
土地の調査では、敷地の面積や形、接している道路の幅などの調査を行います。また容積率や建蔽率、用途地域や建築に関する制限など、法律や条例などの調査も合わせて行います。
市場調査では、周辺エリアの人口や居住者の年代割合、住居や店舗、事務所などの供給数や相場賃料、地価相場や周辺売買事例などを調査し、どのような需要がある土地なのかを確認します。
また、これ以外にも道路や鉄道の建設計画、行政の都市計画構想や再開発事業など、計画地の将来に影響する情報なども集めます。
これらを踏まえ計画地に向いている活用方法、用途がどんなものなのかを検討します。
(2)プランニング
土地及び市場の調査結果に基づき、どのような建物を建てるかなど、具体的なプランニングを行います。
建物の形や配置、面積や階高、階数など必要に応じて試行錯誤を行いながら、建築を行う場合にどのような建物が最適かを検討します。
その後の事業シミュレーションをより正確に行うために、ターゲットを明確に定め部屋の間取りや仕様などを具体的に想定することが重要です。
(3)事業シミュレーションの作成
作成したプラン基づき、事業を実行した場合にどのような費用が必要か、またどれくらいの収益が見込めるかシミュレーションを作成します。
売却や土地の賃貸借などはシンプルですが、建物を建築する場合は新築から数十年後までのシミュレーションを作成する必要があります。
賃料の下落や入居者の入れ替わり、税金や建物の維持管理費なども含めて計算することで、より現実に近いシミュレーションが可能となります。
>>関連コラム:【土地活用の流れの基本を解説│土地活用を0から始めるときは「7つのステップ」で】
遊休地の土地活用を成功に導くポイント
このように遊休地の活用を検討するうえで、事業の成否を分けるポイントは以下の4つです。
- ・ 正確かつ将来性も加味した市場調査
- ・ 土地の諸条件や自身の目的に合致した活用方法を選択する
- ・ リスクの確認と対策
- ・ 維持管理コストも含めた収支計画の策定
これらのポイントを意識し計画することが、事業を成功に導きます。
>>関連コラム:土地活用コンサルティングって何?│コンサルティングを受けるメリット・手順を解説
まとめ
>>施工事例:都会の中で落ち着きを生む賃貸マンション(荒川区)
今回は遊休地の活用について選択肢や検討の手順などについて解説しました。
ご紹介した通り、遊休地の活用方法は様々で、その中からご所有地や自身の希望に合った活用策を見つけることは非常に大変です。
調査や計画の立案、事業のシミュレーションなど、検討には専門知識やスキルを要する場合があります。自身で検討することが難しい場合は、状況に応じて適切かつ信頼のできる専門家への相談をおすすめします。
私たち鈴与三和建物株式会社は東京都心部を中心に90年以上土地活用のコンサルティングを行ってきました。
お客様のご希望やお悩みを伺い、最適なご提案や解決策をご案内することはもちろん、その後の設計や工事、不動産の売り買いなど、ワンストップでお手伝いできることを強みとしています。
遊休地の活用についてご興味がある方、相談先にお困りの方は是非お気軽にお問合せ下さい。