土地活用で重要な『測量』とは?現況測量と確定測量の違いを図面で解説
2024.12.27 UP
測量には様々な種類がありますが、不動産に関連する測量に「現況測量」と「確定測量」というものがあります。
「現況測量」は建物を建築する時、「確定測量」は不動産を売却する時などに行われることが多く、土地活用に大きく関係する測量です。
それぞれ目的や調査内容が異なりますが、「測量」という言葉から、混同してしまう方も多くいらっしゃいます。
今回はこの「現況測量」と「確定測量」についてサンプルも参考にしながらそれぞれの概要や違いを解説します。
現況測量と確定測量
現況測量とは
現況測量とは、建築計画を立てるために必要な情報を収集するための測量です。
土地の面積や形は当然のことながら、既存の建物の位置、敷地の高低差、隣接する土地や建物の状況、接している道路の幅や電柱の有無、越境物の有無、真北測定などを行います。
建築のプランニングを行う際、これらの情報が無ければ正確な計画立案ができず、計画を実行に移す際にその変更を余儀なくされるなどのリスクが高まります。
確定測量とは
確定測量とは、対象地とそこに隣接する土地や道路の境界を明確にするための測量です。
自身に加え、隣地の所有者や道路の所有者(自治体などの場合が多い)に立会を求め、双方合意の上で土地の境界を決めることが特徴です。境界を決めた上でその後のトラブルにつながらないよう合意書を作成し双方で保管する形をとることが一般的です。
これにより将来的な隣地との境界に関するトラブルを防ぐことができます。不動産を売却する場合、隣地とのトラブルは買主にとってもリスクであり、それを防ぐために境界の確定を不動産購入の条件としていることがほとんどです。
現況測量図の見方
サンプルを参考に現況測量の成果物である現況測量図の見方を解説します。
現況測量の成果品には、以下のような項目が記載されています。
土地の境界 | |
敷地の高低差 | |
図面の方角(※1) | |
越境物の有無(※2) | |
隣地の窓の位置 | |
電柱の位置 | |
道路の幅員 |
※1 磁北と真北など方角の確認は、新築する建物の影がどのように投影されるかを計算する日影図面を作成する際に、必須の情報です。
※2 隣地側からの越境物があると、建築の際その部分に建物を配置することができないため、プランニングに影響します。
現況測量図をベースにすることで、より正確な建築計画を立てることができます。
確定測量図の見方
続いて、サンプルを参考に確定測量図の見方を解説します。
確定測量図の成果品には、以下のような項目が記載されています。
隣地との境界を示す標の位置 | |
公図における対象の土地の位置 | |
土地の面積を示す求積表 |
この測量図に加え、自身と隣地や道路の所有者間で、境界位置の合意がなされたことを示す書類(土地境界確認書)がセットとなり納品されます。
測量の費用と所要時間について
現況測量や確定測量は、測量士や土地家屋調査士に依頼を行います。費用や所要時間は依頼先や対象地の状況によって異なりますが、一般的には以下のようなポイントから決まります。
【測量の費用】
現況測量:土地の大きさ、形、高低差などによって決まる。
確定測量:上記に加え、隣接する土地や境界の数、権利を持つ人の多さによって決まる。
第三者との交渉が含まれるため、一般的には現況測量の2~3倍の費用が必要に。
【測量の所要時間】
現況測量:土地の広さによるものの、調査自体は1日~数日で終わる。
調査結果を取りまとめて図面として整理するまで、1か月ほどが目安。
確定測量:土地の形の測量に加えて、境界確認書に対する地権者の捺印が必要になる。
境界を確認するための立会も必要になるので、時間がかかるケースが多い。隣地の権利者が多い、遠方に住んでいるなどの場合は特に注意が必要。
まとめ
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今回は現況測量と確定測量について概要や違いについて解説しました。
それぞれの特徴をまとめると以下の通りです。
現況測量 | 確定測量 |
・建物のプランニングに必要な情報を得ることが目的 ・高低差、既存建物の位置、越境物の有無なども確認する ・費用は確定測量と比べ安価 ・1か月程度で完了する | ・敷地境界を明らかにすることが目的 ・隣地や道路の所有者に立会を依頼し合意書も作成する ・費用は現況測量と比べ高額 ・隣地やその権利者が多い場合などは1年以上かかることも |
測量をする必要があるのか、どのタイミングで実施すべきか、どこに依頼をするべきかなどご自身で判断することが難しい場合もあります。
土地活用にご興味がある方、現在計画を進めている方で、そのようなお悩みをお持ちの場合は、土地活用コンサルタントに相談をしてみても良いかもしれません。
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